Hobby train SZ BR 541 “Coca-Cola”

自宅で飲み物を口にしながらまったりしていたところ、ふと思い出したので先日入手した欧州型の機関車モデルのご紹介なぞ。

鉄道運行会社 (組織) の略称は数あれど “SZ” とはまた耳馴染みがなく、調べてみると “Slovenske železnice” の略で、スロベニア鉄道のことだそうな。
現在 “私の鉄道” に籍をおくモデルのうちおよそ1割は外国型のモデルとなりますが、その中でも特にスロベニア鉄道の車は初導入となりました。
買ったはいいが牽かせる車がない…

SZ BR 541 101
via Railcolor.net.

プロトタイプはドイツ・Siemensの誇る電気機関車プラットフォーム “EuroSprinter” のうち、定格出力6,400kW・3電源対応の汎用 (貨客両用) 形であるES 64 U4-Fで、スロベニア鉄道に属するBR 541のなかでも、コカ・コーラの車体広告でラッピングされた101号機がモデルとなっています。

SZがSiemensへ2004年と2008年の計2回発注した、全32輌のBR 541のうちの10輌がこのES 64 U4-Fタイプで、当該車番を日本流に表現するならば、541形100番代の101号機〜110号機がこれに該当します。

Hobby train SZ BR 541 "Coca-Cola" 2

この流線型スタイルの機関車は、オーストリア国鉄 (OBB) が導入した同型機の愛称から、”Taurus” としても広く知られていますね。
コカ・コーラが近年進めている、音楽と絡めたプロモーションに即した広告デザインで、とても賑やかな装飾が特徴。ボディの印刷とレタリングは欧州基準?のすばらしい仕上がり。
雑なスマホ写真で台無しですねすみませんね( ˇωˇ )

車両番号 (UICナンバー) の表記は91 79 1 541 101-6。
UICナンバーのルールに準拠すれば “91 79 15 41 101-6″ とするのが正しい表現 (?) だと思いますが、それはあくまでUIC (国際鉄道連合) が定めたルールのうち、意味を成す桁ごとに間隔を開けて記述するという表現上での話であるため、SZの組織内や現場においては “BR 541” という形式の認識のし易さが優先されるためこのような表記になっている…ということかもしれません。
UICナンバーが何かって?そこはおググり頂きたく…。

欧州型は1両に様々な形式や呼び名があってとてもややこしいですね。
ヨーロッパの鉄道に興味を持つ上で、初歩段階でかなり高めのハードルとなるのが「車輛形式」だと思うのですが、長くなるので別の機会に詳しくご紹介できればと思います。( •́ω•̀ )

Hobby train SZ BR 541 "Coca-Cola" 4

“Hobby train” というブランドからして、外国型に興味がなければ耳馴染みすらない名前だと思いますが、国内のモデルリリース事情などへ幅広くアンテナを張っておられる方には、時折Katoブランドなのか何なのかよく分からない外国型車両が発売されていることにはお気づきかもしれませんね。

Hobby trainはドイツのLemke (Wolfgang Lemke GmbH) というメーカーの1製品ラインで、鉄道模型に関してはHO, N, TTの各ゲージ製品をリリースしており、時折関水金属が日本国内で設計・製造を請け負って、輸出向け欧州型モデルをリリースしていたりします (近年では “TEE Gottardo” や “TGV Talys PBKA” など) 。

Lemke社が日本のNゲージ事情からみて特徴的に感じるのがその生産方法で、Nゲージ鉄道模型の製造についてはどうやらOEM一本の様子。現在の日本国内における鉄道模型メーカーの、特にメインストリームである関水金属やTomytecの製造手法からするとなかなか衝撃的なものがあります。
日本国内でもNゲージの黎明期や、現在も極まれに限定企画商品などでOEM生産が見られますが、品質の維持や設計レベルからの差別化を生むには自社設計や自社生産が大事になる、ということかもしれません。あ、脱線した…。

Hobby train SZ BR 541 "Coca-Cola" 5

製造に関しては、このBR 541の製造国は “made in South Korea” となっていて、”Made in China” を見慣れた目にはより一層新鮮に感じます。
ドイツからすれば韓国で作るのも “お安い” ということなんでしょうかね???

Re460 018 PEPSI
via Chemins de fer suisses.

コーラの車体広告といえば、個人的にはスイス連邦鉄道 (SBB) のRe 460のものに強いインパクトを受けた記憶がありますが、こちらはコカ・コーラ。そのお国柄?毎に「コーラといえば◯◯・コーラ」というような偏りをマーケティング戦略的に意識した結果なのか、さすがに車体広告を出している車輛同士が競い合うような光景はみられませんね (苦笑) 。

Hobby train SZ BR 541 "Coca-Cola" 3

屋根上の高圧回路などはゴッリゴリにディテーリングされているのがGood。

DC 3000V (スロベニア, イタリア) 、AC 15kV 16 2/3Hz (オーストリア, ドイツ) 、AC 25kV 50Hz (クロアチア, ハンガリー) の3電源線区に対応させたため搭載は4丁パンタ。実物の技術的には2丁に集約して1〜2トンレベルで減量できそうな気もしますが、複数の鉄道規格に対応することを考えれば、やはり致し方ないのかもしれません。
特に2種類×各2組のパンタグラフを積んでいることの外観的な違いは集電舟の寸法 (幅) にあるのですが、残念ながらHobby train製品ではこの点はスルーされています。アーム形状も違うじゃんかよ!
欧州型モデルでは架線集電対応でパンタパーツがゴツくなってしまうことも普通ですが、日本の現状がヨーロッパのモデラーからすれば “異常” なのかもしれませんね。繊細すぎてすぐ壊しそうだし (苦笑) 。

Hobby train SZ BR 541 "Coca-Cola" 7

そして床下機器と足回り。ディテールのシャープさに欠ける…というか造形のエッジが甘いような…。どこかマ●クロエ●ス製品を彷彿させるような…床下機器にもレタリングしてあるし… (汗) 。
それでも印刷ながら、ワンポイントで車輪の輪心が表現されていて足回りの印象を引き締めているのは評価できるところかと。明るめのダークグレーで成型されているので、つや消しクリアーなぞ吹いてやれば落ち着きそうですが、印刷されてるしなぁ…。

Hobby train SZ BR 541 "Coca-Cola" 6

そしてこの運転席インテリアの “べったり淡緑色” がやや許せない。お前はマイ●ロか、と。ていうか本当に実車も淡緑色なのか怪しさ満点。何故その色をチョイスしたよ?と疑問に思うことしきり。

…まぁモデル化されるだけ有難いということで_(┐「ε:)

Taurus一家は他のメーカーによるモデルも数両保有しているので、別の機会にまたご紹介できれば。

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