Arnold 0180 Lufthansa Airport Express 1

“Lufthansa Airport Express” のバッファー修理

以前、ネットオークションで落札したArnold社製のDB (旧西ドイツ国鉄) “Lufthansa Airport Express (以下、LAE)” 車両セットについて、セット中の客車1両のみ、1箇所だけ連結面のバッファーが折れてしまっていたので自家修理しました。これを落札したのは既にかれこれ一昨年…。

まずは実車についてご紹介。

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via Hochgeschwindigkeitszuge, by Christian Splittgerber.

“Lufthansa Airport Express” はその名の通り、航空会社ルフトハンザがDBの路線・車両をチャーターし運行していた都市間連絡列車。
1982年より “ドナルドダック” とも渾名された、かの有名なET 403 (初代 BR 403) を再登用するかたちで、Dusseldorf Hbf (デュッセルドルフ中央) ー Frankfurt Fulghafen (フランクフルト空港) 間で運行されていました。

運転開始以降の運行実績は好調だったようで、1990年からはStuttgart Hbf (シュツットガルト中央) ー Frankfurt Fulghafen間でもBR 111による客車牽引列車で運行路線の追加がなされ、のちに1991年からはこれまた著名な名機BR 103牽引による高速新線経由での運行に切り替えられました。

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via N Gauge Forum, by Raymond.

しかし1990年以降、航空機旅客ニーズの減少に加えET 403の車両そのものが老朽化していたこともあり、1993年にクルマもろとも列車自体が廃止されました。
英語版Wikipediaの記事によると “Usage ended in 1993 due to increasing corrosion of the aluminium sheets.” とあるので、恐らくアルミニウム車体の腐食進行が直接の原因で、車両の大規模修繕や新製投入をするほどの投資メリットが見出せなかったものと思われます。運行ダイヤ上も、動力分散方式の “EMU” であるET 403を機関車牽引に置き換えるのは現実的に不可能だったのかもしれません。
ET 403は “LAE” 運行開始時点で既に1972年の製造から10年経過、営業運転への運用期間はトータルで21年に及んだことになりますから、’70年代にこれほど近代的な車両を生みだしつつ、20年以上実運用に耐えたのですから、車両設計としては成功した部類に入るのではないでしょうか。

で、本題はこのBR 111牽引による “LAE” 。

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via Drehscheibe Online Foren, by Rolf Kostner.

モデルは前述のとおり、1990年からわずか1年の間だけ実在した “LAE” で、Arnoldは実物通り機関車 + 専用客車3両の4両セットで製品化。車番は以下のとおり。

BR 111 111 049-3
Avmz 106 60 80 84-95 596-2
Avmz 106 60 80 84-95 597-0
Avmz 106 60 80 84-95 598-8

ネットで実車写真を探しても機関車の機番はまずまず “111 049-3” ばかりなので、実車もこのセットに含まれる車番のものしか存在しなかったのかもしれません…故障時などの予備車の存在は不明ですが。

製品の製造は、いつもお世話になっているドイツのNゲージ製品情報サイト、Spurweite-N.deさんへ登録されている情報よると、実車の車両変更にあわせて1991年には生産中止となっているようです。

そして件のバッファーですが、落札し商品到着後に気がついたため出品者に問い合わせたところ、当人もお気づきでなかったそうな。
商品写真を見返したところ、たしかによーく見るとバッファーがないことが判別できたため、こちらのチェック漏れも含めて双方痛み分け…じゃないですがそのまま頂戴となりました。そもそも滅多にお目にかかれないモデルなので貴重という思いが強かったのも正直なところ (笑) 。
いやはや中古の外国型モデルに手を出す際の良い勉強になりました。

我が工場の “修理日誌” (と勝手に呼んでいる、データベース化した記録) によると、一昨年の5月末頃にすこし手を動かしており (この時点で既に落札から約3か月…) 、いわゆる “ランナー引き延ばし線” で拵えた線材に、残存しているバッファーから “おゆまる” で型取り、光硬化パテで複製品を作って床板に接着するところまでは進んでいたようで。
そこから何か忙しくなったのか、他に手を奪われたかでいまに至ります (苦笑) 。

Arnold 0180 Lufthansa Airport Express 2

これをあり合わせのエナメル塗料、タミヤのセミグロスブラックで筆塗り。我ながら「ここはフラットブラックじゃなかろうか…?」と思いながら…。
つーかオモリの金属板錆びすぎ。何をどうしたらこうなる?妙案が浮かばなかったのでそのままにした。

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案の定バランスが悪いので対面側もヌリヌリ…。

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こんなもんか…。
どこか新品のバッファーみたい!(๑⁼̴̀д⁼̴́๑)

手元に塗料が無かったんだ。それよりも 思い立ったが吉日 で実際に手を動かすのが大事!(ぉぃ)

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ちなみにバッファー存命の逆エンド…。
まぁいいか、折れて無くなってるより数百倍マシだ。

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とても’80年代初頭に考案されたデザインとは思えないぐらいモダンなデザインだと思う、シンプルで秀逸なロゴデザインとCIカラー設計。
BR 111の小ぶりなボディにアンバランスなぐらいのロングホイールベースにも興味が尽きない。

これにて一件落着!

ET 403とBR 103も欲しいなー… ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン


出典:
DB Class 403 – Wikipedia, the free encyclopedia
Railways in Germany (rig)

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